内省の最初の一歩。とりあえず言葉にすることに取り組んでみる。
内省はいろんな取り組み方がありますが、基本的には言語化を伴うものです。 心の中を言葉にするという行為は、なれていないと意外と難しい。
普段内省にそこまで取り組んでいない方は、自分の心を整理し、対話するという状態に持っていく前に「とりあえず言葉にする」ということに取り組むと良いでしょう。
この記事では具体的に、こういう形で内省に取り組んでみると良いですよという提案をしてみたいと思います。予算は1,000円もかけずに(既に持っていたらほぼ無料でもよい)できます。ぜひ試してみてください。
具体的な「とりあえず言葉にする」内省ワークの準備・やり方
準備
それは、とりあえずに言葉にする内省ワークの具体的な方法を紹介します。 まず、以下の備品を準備してください。
- A4白紙の紙 (ノートタイプでも可。ただし、行線などないもの)
- ボールペン(0.5mmの太さがおすすめ。色は黒か青)
- カードタイプ or 正方形タイプの付箋 (20~30文字程度の1文をかける程度の大きさがベスト)
100均一などで揃えれば、全て揃えても330円程度で揃うでしょう。 これらを使って、内省をやります。
次に環境です。以下を準備しましょう。
- スマホ/PCは家に置いていく。(不安な方は近くのコインロッカーに保管する)
- 数時間は滞在できるカフェに行く (スタバやタリーズ、ファミレスでも可)
重要なのは、普段ドーパミンをたくさん出してきて気を散らしてくるスマホ/PCと離れることです。依存症気味な現代の人々にとってはとても抵抗感があることでしょう。ですが、ここは勇気を持って離れる選択を取ってみてください。
これで準備完了です。
やり方
準備ができたら、白紙の紙や付箋を使って、頭の中にあることを書き出すことに取り組みます。 最初に基本ルールです。
基本ルールは、
- 心の中で出てきた言葉をそのまま白紙に書くこと。言葉になりきっていないこと(感情的な苛立ちや集中できていない心の動きなど)をありのまま書くこと。
- 出てくる言葉に優劣や善悪などの価値判断を入れないこと。
の2つです。
ここで取り組むことは、整理するための言葉の種を取り出していく作業です。取り出しながら解像度を高めていくイメージですね。なので、最初からハードルを高くして、言葉にする粒度を阻めたり価値判断を入れて狭めたりしてしまうと効果が薄れます。
とりあえず書くことに徹しましょう。
基本ルールに従って、自分の心の言葉をありのまま書き出していきながら、主題としては以下の問たちに向き合ってみてください。(今回はオープンクエスチョン中心ですが、もう少し慣れてきたら狭める質問なども含めてやっていけると効果的です)
- 興味を持っていること、やってみたいことは何か? (未来)
- ネガティブでもポジティブでも、感情が動いた経験・出来事は何か? (過去)
- 不安に思っていることや変化したいと考えていることは何か? (現在)
- 憧れていることや、将来実現したいことは何か? (未来)
上記はただのフックです。どんどん内面の言葉を広げていって、全然違う話題を考えても良いです。とにかく基本ルールに従って言葉を出すことを楽しんでみましょう。
取り組む最初の方は気が思いものですが、書き連ねていくうちに段々と集中して楽しくなってくるはずです。できたら1時間は取り組みましょう。
とりあえず言葉にすることに取り組んだ先の内省について
とりあえず言葉にすることの効用は大きい
言葉にする。これは内省の一歩です。 やってみもらえるとわかると思いますが、感情的にも頭の中もすっきりします。 不思議なものでストレス解消にもつながります。
この言葉にすることは無意識的に空白の時間を作ることに貢献してくれます。 普段、日常を忙しく過ごしていると自分の言葉を押し殺したり目を向けないことで未消化のままで放置してしまっていることが多いです。
- そういえば、あのときすごくイラついていたな
- あの人から言われた言葉、今振り返るとすごく良い指摘だったんだな
- 忘れていたけど、私ってこういうことをやりたかったんだよな
といったような、大切な気づきを思い出すきっかけにもなります。 案外、人は重要な気づきであっても簡単に忘れます。けっこう簡単に忘れます。定期的な心の棚卸しであるこの言葉にする取り組みは、想像以上に効果があるでしょう。
とりあえず言葉にすることに慣れた後にお勧めしたい「日記」
今回紹介したワークは、少なくても隔週で1回は実施することをおすすめします。 休日の午前中に時間をとっておくでも問題ないですし、金曜の夜とかに時間をとって取り組むなどもよいでしょう。
このとりあえず言葉にすることに慣れてきた後、いよいよ内省をする準備が出来てきます。 私がお勧めなのは、「日記」を書くことです。 自分の心の動きを言葉化し、一つの文章コンテンツとしてまとめることにチャレンジしてみましょう。
最初はハードル上げる必要はありません。 言葉にするワークの延長上で、
- 嬉しかったこと
- 学んだこと
- 今後に活かしたいこと
- 感情的に整理したいこと
などを文章にして残してみることに取り組んでみてください。 誰に見せるわけでもないので、稚拙で結構だという気概で取り組んでみてください。
日記の効果的な使い方はまた別の記事で書いてみますね。